元単身赴任妻の日記

「妻は単身赴任中」から出産を機に別居解消しました。

愛妻家(恐妻家?)の生き様

私が大学時代所属していた研究室は、アットホームで仲もよく
今でも細々とやりとりをしているメンバーもいるくらい。

当時から、研究室内のカップルもそこそこいたのですが
結婚まで至る方々も数組いらっしゃいます。
その中の一組であったA男さん・B子さんご夫妻について書きます。

・A男さん
私の2学年上。
私と研究テーマが近かったので、指導を受けながら卒業までお世話になった。
とにかく良い人。佇まいから優しさが溢れるような方でした。

・B子さん
私の1学年上。
別の大学院に進学したため、私とはほとんど接点なし。
留学経験があるからか、アメリカナイズした性格。
自己肯定感が強いというか…気が強いというか(悪い人ではない)。


一見、性格的に合わなそうな二人だけど
私が研究室に配属される前から既にカップルで
聞いた話によればA男さんからアプローチしたとかなんとか。
B子さんが就職した1年後くらいに結婚、首都圏で生活されてました。

こういうお二人の性格なので、強いのはもちろんB子さんの方。
伝え聞く限りでは、A男さんは尻に敷かれているみたい。
A男さん自身もそれが嫌とかストレスになっている感じではなさそう。
愚痴ひとつ言わないですからね…。
まあ、このくらいが上手く回っていくのかもしれませんね。

卒業後、A男さんもB子さんも(ちなみに私も)同じ業界に就職して
共通の話題もそれなりにあり、SNSなどでやりとりさせてもらってました。
お二人ともそれぞれの能力を生かして活躍されてます。
A男さんは真面目で仕事もはやいし、
B子さんは得意の英語を駆使して海外関連の担当もしてたっぽいし。

お子さんも女の後が1人、早くに恵まれて
公私共に順風満帆な生活を送っていたかと思いきや、
私が地方→東京に出てきたのと入れ替わりくらいのタイミングで
お二人とも関東を去ってしまったのです。

SNS情報だとB子さんは新卒で入ったところを退職してしまった模様。
A男さんも…当分は転勤もないだろうと言っていたのにどうしたのか?


しばらくたったある日、仕事の会合でA男さんの同僚さんに
事情を聴くことができました。

「奥さん(B子さん)の家族の事情で、奥さんの地元近くの拠点に転勤しました」
とのこと。

これを聞いて、軽く衝撃も受けたし、腑に落ちたところも。
そっか、B子さんの都合だったのか…と。

B子さんは一人っ子で、父親が早く他界されていたといこともあり
お母さんとは姉妹のようにベッタリ仲がいい。
多分、お母さんを一人地元に残しておくのが心配になったのでしょうね…。

それに伴って、A男さんも異動を願い出て地方のグループ子会社みたいな所に出向。
仕事内容も元々の専門とは違うし、仕事のやりがいなんかも…どうなんだろう。
元の職場では有能かつ第一線にいたため、同僚の方にはかなり惜しまれたみたい。
妻のためにここまでするのか…とA男さんの人の好さにも溜息が出たし
エリート路線だった夫を自分ペースに巻き込むB子さんもすごいな…と。

それから半年ほどたって、研究室の同窓会でA男さんに再会した際に
B子さんが欠席だったので、こそっと現状の生活とか心境を聞いてみました。

f:id:tsumatan:20191030224437j:plain
だいぶん前の、研究室の集まりにて。

今は、B子さんの実家でB子さん母も一緒に同居しているとのこと…。
B子さん、A男さんの姓ではあるけど、
ほぼ婿養子みたいなもんだよな…マスオさん状態。
義母・妻・娘の女性3人との実家生活も想像してなかっただろうなーと。
B子さんも地元で良い仕事を見つけたようで、今後地元を離れることはなさそう。

「今は一緒に住んでるけど、いずれは元の職場(関東)に戻って
単身赴任することになると思うよ」

と、A男さんは語っておられました。
話を聞けば聞くほど、A男さんのいい人ぶりに切なくなってしまいましたが
ご本人からはあまり悲壮感は感じられませんでした。
でもやっぱり、元の職場への未練はあるんですね。

こういうことを言うと、時代齟齬かもしれないけど
妻側が夫の出世ルートをまげてしまうのは…少し抵抗を感じます。
「夫を立てる」が美徳の全てではないけど、完全に妻ペースなのがね…珍しいよね。
これはA男さんが夫であって、B子さんが妻だから成り立つんだろうなと。
ほんと、いい旦那さんもらったよ、B子さんも。

A男さんには、ほんと満足のいく人生を送ってほしいなと思ったのでした。